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【MOSAメルマガ#23】(いまさらの)ARKitのススメ (2018年2月6日配信)

MOSAメールマガジン第23号 (いまさらの)ARKitのススメ

◆目次
・MOSAからのお知らせ
・(いまさらの)ARKitのススメ
・レポート公開
・ニュース
・このメールマガジンについて
・バックナンバーについて
・配信先の変更・停止について

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◆MOSAからのお知らせ
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●【夜間】BUKURO.swift 2018-02
開催日: 2018年2月16日
受付期間: 2018年2月16日

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◆コラム 
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(いまさらの)ARKitのススメ
落合 徹

■ ARKit とは

 iOS 11で登場したARKitは、名前の通りにAR(拡張現実感。Augmented Reality)をiOSアプリに導入するためのライブラリです。ARKitを用いる事で、テーブル等の水平面の検出や、カメラで映している空間をデバイス内の仮想3D空間にマッピングする機能などが、従来からある3Dを扱うためのSceneKitやMetal、あるいはSpriteKitなどから簡単に扱え、手軽にAR機能を付加できる様になります。
 カメラで映している空間をマッピングするというのは、画面を通じて現実の空間とデバイス内の3D空間の座標を対応付けるということで、ARを実現するための基本処理です。このマッピングされた空間に3Dオブジェクトを配置すれば、まるで実際の空間に3Dオブジェクトを配置してあるかのように合成した映像をリアルタイムで作成できます。これは、言い換えると現実の3D空間や物体の配置(向きや位置)、そしてサイズをARKitが把握しているということです。そのため、画面をタッチするなどして指定した画面の二次元座標から、そこに相当する三次元座標を取得することもできます(ヒットテスト)。ヒットテストを利用して、画面上にルーラーを出現させて長さを測るアプリなども作成されています。また、カメラを利用した画像スキャンアプリで、台形歪みを自動補正するためにこの機能を利用しているアプリも存在します(現実を拡張しているわけではないので、厳密にはARアプリとは言えませんが)。

■ ARKit 1.5登場

 さて、iOS 11.3のベータ版がデベロッパー向けに提供開始となりました。一部で騒ぎになったバッテリ問題への対処や各種のバグ修正、アニ文字のキャラクターが追加されたことなどが一般ユーザー(エンドユーザー)の目をひくと思われますが、開発者にとってはARKitが1.5になった事が見逃せません。これは、結果としてはエンドユーザーの利益にもなるでしょう。

 1.5になって、ARKitはかなり実用的になりました。従来のものでも、基本的なAR体験は提供できましたが、開発者にとっては不満に思う点がいくつかありました。
 まず、水平面の検出は従来からできていましたが、垂直面はできませんでした。これができる様になりました。
 検出した平面の形状が、従来は矩形だったのがポリゴン(多角形)で得られる様になりました。
 また、あらかじめ登録しておいた静止画像を空間(カメラ映像)内に認識し、その配置情報(位置・向き・物理サイズ)を得る事が簡単にできるようになりました。従来からVisionというフレームワーク(ARKitと同じくiOS 11から提供されている)を用いてカメラ映像内の画像解析を行う事ができましたが、1.5ではARKitのみで簡単に静止画の検出ができます。これにより、いわゆるマーカー検出が可能になったと言えます。静止画は複数登録しておく事ができ、もちろんどの画像を検出したかを判定する事もできます。静止画はリソースとして格納しておくほか、動的に追加することも可能です。
 なお、Visonフレームワークは引き続き提供されているので、顔検出や機械学習のデータを利用した画像解析、オブジェクトの検出と追跡などの高度な画像解析を必要とする場合は、従来通りに利用可能です。
 そのほか、実行時のカメラの性能が若干向上しました。具体的には、オートフォーカスを利用できる様になったことと、解像度が上がったことです。

■ ARKit の使い所

 ARKit 1.5の紹介ばかりになってしまいましたが、ARKitで本格的なARコンテンツが簡単に作れるようになったのかというと、実際の所、現状ではそこまでパワフルなフレームワークではありません。紹介したとおり、ARKitが提供しているのは基本的な座標変換やカメラの映像処理程度で、そこに割り当てるコンテンツについてはSceneKitやMetal等を利用して開発者が作成する必要があります。凝ったコンテンツを提供したい場合は、ARKitを含めてそれなりのコードを書いていく必要があるでしょう。
 では、ARKitの利点はどこにあるのか? それは、「これぞAR!」と大上段に構えるコンテンツではなく、従来は別のUIで提供していたアプリに、比較的少ない労力でUIとしてのAR環境を提供できる可能性があることかもしれません。もちろんAR的なインターフェースが向かないアプリもあるでしょうから、全てのアプリがARになる必要はないでしょう。ですが、ARにすることで直感的に理解しやすくなったり、使うのが楽しくなる様なアプリもあるはずです。
 SceneKit等の勉強も必要になりますが、単純に3Dオブジェクトを描画する程度のことはすぐに理解できるでしょう。アプリを作る(あるいはバージョンアップする)際に、ARが導入できないか、簡単に検討してみるのも一考です。そして、できそうなら是非ともARKitを使ってみてください。

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◆レポート公開
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●MOSA新年会2018 レポート(1/21)
2018年1月21日(日)、渋谷区文化総合センター大和田にて「MOSA新年会2018」を開催しました。

今年の新年会は午前と午後の2部構成。午前中は2F学習室にて、大谷和利 氏(テクノロジーライター・MOSA副会長)と落合徹 氏(フリーランスプログラマー)による新春トークを開催しました。

レポート全文はこちら。
http://www.mosa.gr.jp/?p=42286

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◆ニュース
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●次期macOSでの32-bitアプリサポート終了に伴い、Adobe CSなど動かなくなる可能性があるアプリをチェックする方法。
https://applech2.com/archives/20180126-how-to-check-no-longer-support-32-bit-app-next-macos.html
32bitアプリがサポートされない日が近づいてきます。長年使っているフリーウェアや開発停止しているアプリなど、使えなくなるものが出てきそうです。

●総務省、休眠電話番号を開放へ 格安スマホに割り当て 携帯料金値下げも期待
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1801/29/news051.html
休眠電話番号を解放しても、いずれは、もう一桁増えそうですね。

●共同通信、山中氏の記事全面書き換え「編集上必要と判断」
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1801/26/news120.html
同じURLで全く別物のような(印象を与える)記事になるのであれば、何かしらか、訂正されたことが分かるような記述が有った方が良いのではと思います。

●Code.orgのコンピューター教育大衆化ビデオシリーズがAlaska Airlinesの機内エンターテインメントに採用
http://jp.techcrunch.com/2018/02/01/2018-01-30-code-org-is-bringing-computer-education-to-alaska-airlines-in-flight-entertainment/
日本でもプログラミング教育の熱が上がってきています。世界的な潮流のようです。

●イノベーションを阻害する「技適」。経団連などが規制改革要望を提出
https://smhn.info/201802-keidanren-reform-giteki
開発や研究を行っている方には馴染み深い技適の問題です。原稿よりも柔軟な運営が出来るようになると良いのですが。

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◆このメールマガジンについて
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