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【終了・レポート】MOSA Software Meeting 2020 in Remote

リモートで読み解く!Apple+アプリ開発の最新技術

オンライン・レポート(11/8)

例年通りiOSやwatchOSがこの秋にアップデートされ、macOS Big Surへの期待も高まりました。そのような中で開催された今年のMSMのレポートです。
新型iPhoneやApple Silicon搭載のMacも登場・発表され過去にないほどの新製品ラッシュになりました。今年のMOSA Software Meeting(MSM)は、Appleの新技術やその動向を参加者みんなで読み解く1日にしようと企画しました。
そして社会的な状況を踏まえ、オンラインでMSMを開催です。
初の試みでいろいろ不備もありましたが、参加者のみなさまと運営スタッフの協力で、無事、開催することができました。
たくさんのご参加を心よりお礼申し上げます。
今回参加されなかった皆様も、どうぞレポートでお楽しみください。
今後もオンラインでのイベントの開催も計画しています。次の機会には、ぜひご参加ください。


オープニング:エンジョイ! LiDAR・そこまで来たARグラス!

いけだじゅんじ さん

いけだじゅんじ
セッション動画:https://youtu.be/fyYf5GpYDgQ

セッションでは最初に似たような仕組みの TrueDepthカメラとLiDARスキャナの違いを、解説と実際にサンプルコードを動かして紹介されました。ハードとしての特徴や位置付けがわかりやすかったです。続いて、WWDC20のセッションから、マップ・地図情報がARグラスへとつながっている様子、AppleのARグラスのロードマップの予想が紹介され、LiDARスキャナの可能性が見えてきました。中盤では、iPhone12 Proに先駆けてLiDARが搭載されたiPad Proで、サードパーティのアプリやサンプルコードの様子が実機のデモで紹介され、LiDARの可能性と現時点での限界もわかりました。
後半では、LiDARのアプリを使い、その場で3Dスキャンしたものを、そのまま配布、Zoomを視聴しながら自分の手元でARで見ることができる、それもOS標準の機能なのでシームレスな連携には驚きました。セッション全体を通して、実機、実演デモがあり、今後、色々な広がりが期待できることがわかるセッションでした。
楽しいプレゼンをありがとうございました。


2. アプリ内課金アップデート

中野 洋一 さん

なかのよういち
セッション動画:https://youtu.be/iT2ku23_F8E

中野 洋一氏のセッションでは、iOSにおけるアプリ内課金をテーマに技術的な解説やデモが行われました。
前半はアプリ内課金の基本的な知識や仕組みを、後半はXcode 12でアップデートされたStore Kitのトピックが解説されました。
Xcode 12ではサンドボックスを使わないローカルテストの環境が提供され、アプリ内課金の実装がよりわかりやすくなったと感じました。
特に課金の状態や返金などの処理が逐次通知されるServer notificationの機能は、自動継続課金でビジネスする上で重要であると思いました。
アプリ内課金はiOSアプリでビジネスする上で必須の技術であることから、自分でもサンプルコードを動かして理解を深めていきたい。
そのまま利用できるサンプルコードも提供頂き、ありがとうございます。


3. VTuberが進行するZoomを使った超多元中継ライブ番組の作り方 – 花火でつなぐ100人リレー・オンラインの舞台裏 -

石橋 利也 さん

石橋 利也
セッション動画:https://youtu.be/2orh3fOfrdk

コロナ禍で普段のミーティングから大きなイベントまでもがオンラインになっていく中で、タイムリーでもあるし丁度気になっていた内容だった。
オンラインで開催するイベントをさらにライブ配信番組として組み立てるという話の中で、技術や機材、ソフトウェアが網羅的に紹介されていたので、今後調べる時の取っ掛かりとしては良さそう。
また、大人数参加型のオンラインイベントに特有なリスクを洗い出して、それを最小化する運用方法について手探りで構築していった様子が裏話的に聴けたのは良かった。エンジニア目線だとつい機材やその使い方ばかりを追いがちだけれど、アナログ的な運用ノウハウの構築は大事なんだろうな感じた。
ウェブカメラで顔の向きや唇の動きを認識してアバターを動かせるというのは知っていたが、iPhoneのFaceIDで表情を読み取ったり、しばらく前に流行ったLeap Motionで手の動きを反映させたりできるというのは新鮮。すでに持っているモノであったり、安い機材であそこまで動かせるのであれば試してみたい。
とても参考になりました。ありがとうございました。


4. SwiftUIアプリ開発の顛末

白石 亘 さん

白石亘
セッション動画:https://youtu.be/zE-vMvaJWyI

macアプリをSwiftUIで開発する際のとっかかりを紹介していました。これから始める人には有用な情報だと思います。デモはわかりやすかったのですが、@State以外のバインディングについても説明して欲しかったです。また、講師はこれからはSwiftUIだと話しておられましたが、なぜそうなのかもう少し詳しく聞けたらと思いました。


5. Qtでマルチプラットフォーム対応のアプリ開発

宮一 正人 さん

宮一 正人
セッション動画:https://youtu.be/dnnQr5Ljo-E

Qtでマルチプラットフォーム対応のアプリ開発」では、(株)芳和システムデザインの宮一さんよる、macOSX上に、androidの開発環境の構築手順と、Qt Creatorによる、Bluetoothデバイスと通信するアプリケーションをビルドして動かして見せてもらいました。クロスプラットフォーム開発は、Qtにより可能なことを初めて知りました。
Apple社の開発環境のSwiftUIとは異なり独自のUIとC++での開発となるので少し私にはハードルが高いかと思いました。
開発環境としての今後iPhoneやMac以外にもAppleTVやApple Watchなどにも対応でき、Androidなどクロスプラットフォームの開発が容易に勧められそうなので今後もQtに関しての同行を期待したいと思いました。
広く可能性が感じられるセッションをありがとうございました。


6. PencilKitを遊ぼう

落合 徹 さん

落合徹
セッション動画:https://youtu.be/D4PH2rttL2Y

「PencilKitを遊ぼう!」では、去年登場したPencilKitを、やはり去年登場したSwiftUIで紹介された。まず、従来のUIKitアプリは元より、SwiftUIアプリにも、とても少ないコード量で手書き描画機能が導入できることが、ライブコーディングで示された。この時、PencilKitが簡単に使えるのを示すのと同時に、UIKitで作成されたカスタムUIViewをSwiftUIで用いる方法も説明された。 その後は、PencilKitの今年の機能強化点である、描画データの中身(ストロークデータ)ヘのアクセスが可能になった事に関して、関連オブジェクトと取り出せる情報の解説があり、それを踏まえた「なぞり書き」と「図形検出」のデモが、セッションの締めに披露された。デモアプリについては、ストロークデータの活用例を示すことを優先した様で、コードの説明については簡単に済ませていた。なお、配布資料ではもう少し詳しく解説しているとのことだった。
限られた時間の中で、ポイントを絞った説明が良かったです。ありがとうございます。


7. ちょっとひとやすみ 最近のIoT開発ボード事情2020

増田 崇 さん

増田 崇
セッション動画:https://youtu.be/Gq-DPziS4cA

「ちょっとひとやすみ 最近のIoT開発ボード事情2020」では、(株)タスタスの増田さんより昨年度のMSM以降にご本人が購入したIoT開発ボードやその他のガジェットが紹介されました。
深圳のM5Stack社が販売しているIoT開発ボードが紹介されました。
M5Stack Core2は、某アニメを彷彿とさせるでも画面の紹介がされました。
また、小型のATOMシリーズの紹介ではバーコードリーダでバーコードを読み取るデモも行われました。
タミヤのユニバーサルプレートに準拠したボードや、自分でIoT開発ボードを開発する時に便利なモジュールの紹介などが行われました。
今回は、自作のプログラムでの動作例などがなかったので、今後iPhoneやMacなどを使った連携例などの紹介があることを期待したいと思います。
自分でも試すつもりです。とても参考になる情報をありがとうございました。


8. iOS14でのトラッキングのオプトインについて

村上 幸雄 さん

村上 幸雄
セッション動画:https://youtu.be/WD3YaQQ99Mk

「iOS14でのトラッキングのオプトインについて」では、iOS14リリース後にストア申請で対応が必要となる項目とその時期について。その中で、今回最も影響が大きいIDFA (広告ID) の取り扱いに変更について技術的な解説と申請時に気を付けるべきポイントについて具体的な対応方法が紹介されました。
APIの変更はエンジニアにとって厄介ごとに感じると思いますが、ユーザの側に立てば、より良い方向への変更ですので、前向きに捉えていくべきだなと感じました。
解説された内容は、IDFA(広告ID)にとどまらず、例えばプッシュ通知のデバイストークン取得の場合にも参考になると思いました。ユーザへの説明文や説明の画面を表示するタイミングの工夫によって、提供している側にとってもユーザにとっても、両者がハッピーになれると思いますので、自分が開発していますアプリケーションについて改善できないか考えたいと思います。
実際の様子が垣間見れてとても良かったです。勉強にまりました。ありがとうございます。


クロージング・キーノート:二極化で収益の最大化とサブスクリプション需要増大を狙い、ARグラスに備えるApple

大谷 和利 さん

大谷和利
セッション動画:https://youtu.be/kiSDg_ppD6k

クロージングキーノートのセッションでは、この秋に既に2回開催されたAppleのスペシャルイベントで発表された製品ラインナップから、同社の二極化戦略についての考察が行われました。過去のエントリークラスのiPhone製品を振り返り、それらの位置付けを分析していくと、Appleがこれまでにもユーザー層を広げるための試みを行なってきたことが明らかとなり、それが今年のiPhone SEや、すでにインド市場を含めて好評を博しているi iPhone 12シリーズのラインナップ構成に結実したと考えられるとのことです。
そして、エントリークラスの製品はハイエンド製品と比較して利益率の点では劣るものの、成長を続けるサブスクリプションビジネスにユーザーを誘導する上で大きな役割を果たすと結論づけられました。
また、iPhone 12シリーズの無接点充電システムとして復活したMagSafeがもつアクセサリビジネスの可能性や、噂されるARグラスへの影響なども論じられ、向こう1、2年のApple製品の展開が期待されます。
MSMの締めくくりに、これからの展開のお話を聞けたのも良かったです。TouchCastと言うアプリを使ったプレゼンもわかりやすかったです。今回もとても勉強になりました。ありがとうございます。


Zoom参加者オンライン・ミーティング

セッション終了後、オンラインで情報交換・懇親会を行いました。

懇親会

楽しく有意義な時間を過ごせました。
参加された方はもちろん、今回、残念ながら参加されなかった皆様も、次の機会をどうぞお楽しみに。

MOSA会員
暫定代表
いけだじゅんじ