WWDC 2008 一般初参加レポート
株式会社ドリームオンライン 瀬野 善則
今回、WWDCの感想投稿について依頼を受け、WWDCへ行かれたことの無い方が、今後参加される際の参考になればと思い、投稿させていただきました。
私は、今回初めてWWDCに参加してきました。
サンフランシスコの天候は、日中は日差しが強くはありますがカラッとしていて、また涼しい風が時折吹くため、梅雨で蒸し暑い日本に帰るのが億劫になるほどとても過ごしやすい天候で、快適にすごすことができました。逆に朝・夜は結構冷え込んで、WWDC初日の長い列にならぶときや、木曜日の夜にあったWWDC Bashに半袖で参加してしまったのをとても後悔しています。今後参加されるかたには、私の失敗を活かして、上に羽織る長袖を何着か持っていくことをおすすめします。
さて、WWDC初日のキーノートですが、内容は様々なメディアで紹介されていますので割愛させていただきますが、皆さんご存知の通りiPhone一色でした。
とても残念だったのが、生で見ることを期待していた”One More Thing”が今回なかったことです。「初参加の今年に限ってなくさなくてもいいでは無いか」と、自己中な発言ではありますが文句を言いたくなります。やはり、Web上でSnow Leopardの情報が漏れていたせいで、ネタがなくなってしまったのでしょうか・・・それでも、「新しいiPhoneのリリースに合わせて、新しいiPod Touchもリリースします」ぐらいの発表がされて欲しかったと思います。
iPhoneですが、ご周知の通り7月11日に日本で発売されます。皆さんはどうされるのでしょうか? まだソフトバンクより月額料金の発表がなされていませんが、料金体系によっては一部のユーザ層にしか受け入れられないのではないかとの懸念があります。Macアプリの開発者としては、月額料金を安くしていただいて、iPhoneが爆発的に売れることにより、Macというプラットフォームにもっと注目が集まることを期待しています。
そこはソフトバンクの方の営業努力をできる限りお願いしたいと思います。
話がそれてしまいましたが感想に戻ります。私にとってWWDCが初参加であり、またアメリカへの旅行も初めての経験でしたので、不安点が多々ありました。
まず時差について。
日本とサンフランシスコでは、6月のサマータイムの場合、時差が16時間あります。今回、近畿ツーリストのパッケージツアーに参加しまして、成田16時発-サンフランシスコ朝9時着の日程となっていました。到着日はWWDC開催日前日ではありましたが、日本での生活サイクルのまま移動してしまうと、かなりつらい目を見ることはあきらかでした。
これを解決する方法として、私は出発前日に睡眠時間を普段の三分の一程度に抑えてみました。これが功を奏し、長いフライトの間に寝ることができたため、調子のいい状態で到着日の朝を迎えることができ、到着後フィッシャーマンズワーフを観光するなど、活発に活動することができました。
出発前日に寝ないというのはさすがにつらいと思いますので、睡眠時間を少なくする方法はお勧めです。
次に、一番大きな不安点であった、英語について。
日本から参加される方で、不安に思われる方は多いと思います。ですが、パッケージツアーに参加することで、他の参加者の方や添乗員の方がいらっしゃいましたので、移動に関しては特に心配する必要がありませんでした。また、WWDCのセッションについても、スライドで何について話しているかは表示されますし、コードが表示される場合もありますので、全く内容がわからないということはありませんでした。
一点だけ、自身の世界観や見聞を広げるために、海外の参加者の方とコミュニケーションを取りたかったのですが、私の英語レベルでは全くダメだったという問題がありました。海外の方から話かけられることが何回かありましたが、そのときにコミュニケーションをとろうと稚拙な英語で話そうとはするのですが、海外の方は面倒見がいいのかおせっかいなのか、別の海外の方が横から口をだしてきますので、結局会話を持つことができなかったことをとても残念に思っています。
次回、WWDCに参加するまでに、英語レベルの向上は必須の課題だとわかりました・・・
さて、ここまで不安点ばかり紹介してきたので、ここからはWWDCに参加するメリットについてご紹介します。
まず、Mac開発者として、最新の開発情報を手に入れることができること。
WWDCの内容はキーノート以外は非公開であるため、参加されていない方に先んじて、最新の開発情報を自身が開発しているアプリケーションに対して反映することができます。
今回で言うとSnow LeopardのデベロッパプレビューがWWDC参加者に渡されましたので、Snow Leopard発売と同時に新機能を搭載したアプリをリリースできたり、いままで作成してきたアプリをSnow Leopardに対応させることも非参加者より先に行なえます。
(私としてはLeopard対応にとても苦労をさせられたので、後者を早めにできることが、とてもうれしく感じます)
また、開発情報の公開が許可される前までに内容をまとめておき、公開が許可された時点でプログラム本の出版を行なうといったことも可能なのではないでしょうか。
次に、日本のMac開発者の方とコミュニケーションがとりやすいこと。
普段日本で開発している場合にはあまりMac開発者の方に会う機会がありませんが、WWDCでは開催日前日にはApple Japan主催のレセプションがありましたし、開催期間の中頃にはMOSAのパーティがありました。またWWDC会場内でも休憩時間に話をすることもできます。私は、地方在住であり、Mac開発者としてもまだ経験が浅いため、他の日本人参加者に面識のある方はいなかったのですが、上記のレセプションやパーティを通じて、色々な方と会話をすることができました。本投稿についてもモサ伝編集長の高橋様とお話ができたことによりこの機会をいただくことができました。
またApple Japanの方も参加されていますので、その方からいろいろ情報を聞くこともできます。英語があまり得意でない私にとって、まわりが英語ばかりで多少疲れを覚えたのですが、日本語で会話できる場所ではとても安らぐことができました。今後WWDCに参加される方にも、日本人参加者があつまるイベントにはぜひ参加することをおすすめします。
MOSAのパーティについてですが、今年はかなり多くの方が参加されたらしく会場はギュウギュウでしたが、私にとっては近くにいらっしゃる方に話しかけやすかったため、逆によかった印象を持っています。MOSAの方々にあの場を提供してくださったことをお礼申し上げます。
終わりに、WWDCに参加して自身の見聞の狭さなど足りないことが色々見えてきました。
これからの目標を立てることもできましたし、総じて今回のWWDCの参加は大成功と言えます。
稚拙な文章で申し訳ないですが、お役にたてましたでしょうか?
それでは、これをもってWWDCの感想とさせていただきます。