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WWDC 2008 学生会員参加レポート(その2)

WWDC 2008 学生会員参加レポート
               情報科学芸術大学院大学 スタジオ3 2年 影近 政通(MOSA学生会員)

 初めまして、情報科学芸術大学院大学メディア表現専攻の影近政通と申します。 今回、MOSAのご協力を得て、スカラシップ学生会員としてWWDCに参加をすることができました。開催日より前の6月4日からサンフランシスコに滞在し、サンフランシスコ市内やヨセミテ公園を観光できたことを感謝しております。

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(エクスプロラトリアムの展示で遊ぶ子供たち。現役で活躍中ののMacintosh SE)

 サンフランシスコに到着した当日、ホテルに荷物を預けてエクスプロラトリアム見学に出かけました。サンフランシスコ市内を走る3時間/1.5ドルで乗り放題のMUNIバスを乗り継いで現地に到着。体験型博物館として有名なエクスプロラトリアムですが、第一水曜日の入場料無料も手伝って大変なにぎわいでした。展示されている内容は勿論ですが、グループで体験できるように展示の仕方が工夫されていて、小さい子供向けにいすが備えられているのも見逃せない点です。 Macintosh SEも対称図形を描く装置として活躍していました。

 宿泊したホテルはユニオンスクエアから2ブロックほど離れたところにあり、繁華街やパウエル駅からも近くWWDCが開催されるMoscone Center WESTに通うのにも不自由しませんでした。WWDC開催期間中は参加者と思われる方とエレベータやエントランスで一緒になったりしました。学生参加者にはホテルと飛行機がパックになったツアーも用意されていたのですが、多くの方はご自分でホテルや飛行機を予約していらっしゃったようでした。
 滞在中のサンフランシスコは晴天で涼しく過ごしやすかったのですが、日差しが強かったので日焼けをしました。

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(ヨセミテ国立公園の Mirror Lake と、通り抜けの出来るWawona Tree)

 翌日から3日間ヨセミテ国立公園ツアーに参加しました。遠くから見ているときれいな景色ですが、実際に歩いてみるとその雄大さに圧倒されます。国立公園とはいえそこはアメリカ、野生動植物に悪影響を及ぼさなければ、どこに行くのも何をするのも自由。ガイドツアーや自転車のレンタルもありましたが、日頃の運動不足解消も考えて、徒歩で散策しました。舗装された道路から細い道に入っていくとちょっとした冒険野郎です。ここで見られる木々は日本のとは比べ物にならないくらい大きいので、この自然を基準にしてアメリカではすべてのものが大きくつくられるのだなと妙に納得しました。

 アメリカ大自然を堪能して、いよいよWWDC2008の開幕です。
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(WWDC08の会場・ジョブス氏の基調講演のための長蛇の列)

 基調講演当日はジョブス氏を間近で見たい参加者で朝早くから列ができていました。会場内には無線LANが用意されており、待ち時間には各自インターネットに接続して暇つぶしです。MacやiPhoneだけでなくPCを使用している方も見受けられ、AppleがMacだけの会社ではなくなったのを実感しました。
 今回参加して驚いたのはスケジュールが紙で配布されなかったことです。その代わりにiPhone対応のWebページが用意されました。WWDCは開催期間中にセッションの追加や変更が行われるので自然なことと考えることもできますが、むしろ「iPhoneは紙媒体の代替品である」というアップルからの強いメッセージであると感じました。会場ではMacでスケジュールを確認する人がまだまだ多数ですが、やはりiPhoneの方がスマートです。iPhone関連のセッションではMacアプリケーション開発にはない楽しさを感じることが出来ました。iPhoneとMacはベースが同じOSXですが、ハードウェアの性能の違いにより開発者が超えなければならないハードルが異なっています。アップルがiPhoneソフトウェア開発に掛けた労力の大きさと開発環境を提供するのに期間を要した理由を垣間見た気がしました。
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(Scientific Development Poster Sessionのポスター展示とCarrier FairのMicrosoftコーナー)

 日本からは、Macアプリケーションの開発だけではなくWebやiPhoneでの開発に興味を持って様々な分野の学生が参加していました。私は個人で参加していたのですが、学校や研究室でまとまって参加している方が少しうらやましかったです。
 期間中にはAppleのセッションだけでなく、企業や大学などの開発事例紹介などのイベントもあります。残念ながら当日には参加することが出来なかったScientific Development Poster Sessionも後日ポスターのみが掲示されており内容を知ることが出来ました。

 また学生参加者限定で「WWDC Student Career Fair」と題した就職フェアが開催されて、 MicrosoftやOMNIなどメジャーな企業からまだあまり知られていない企業まで30社ほど参加していました。ここではArt&Logic, Inc.のエンジニアの方と簡単なお話しをして名刺交換をすることができたのですが、自分にもっと英語力があれば深いお話ができたと思うと残念です。
 翌日にはMOSA主催のパーティで学生以外の参加者の方とお話をする機会があり、日本企業の方やMac開発者とお知り合いになることができて有意義な時間を過ごせました。
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(スタンフォード大学とアップル本社で記念撮影)

 最終日にもセッションが残っていましたが関心の薄いものだったので、Apple Japanのご好意により企画された学生交流会@スタンフォード大学&アップル本社カンパニーストアツアーの方に参加しました。
 スタンフォード大学ではキャンパス内の教会や学生寮、図書館などの施設を見学しました。広い敷地内は車の乗り入れが限られているので、学生は自転車で移動するのですが、朝一番の授業前には自転車どうしの事故がよく起こるそうです。昼食は広い芝生の上で学生参加者と車座になってとることができ、スタンフォード大学生気分を味わいました。午後からはApple本社敷地内にあるThe Company Storeで、WWDC会場では購入することのできないアップルロゴをあしらった文具やTシャツなどをおみやげとして購入することができました。

 WWDCでの知識習得だけでなく、観光もできるところがWWDCに参加する魅力だと思います。

執筆者プロフィール

情報科学芸術大学院大学 スタジオ3 2年 影近 政通
 現在、情報科学芸術大学院大学にてメディア表現を専攻しインタフェースデザインの研究をしています。 現在はマイコンを利用した電子工作からプロダクトデザインまで幅広く勉強中。

学生会員によるWWDC初体験記「WWDC 2008 学生会員初参加レポート(その1)」はこちら