2009年4月19日(日)、六本木の東京ミッドタウン内「インターナショナル・デザイン・リエゾンセンター」におきまして、第6回「DEMOsa」を開催しました。今回も多くの皆さまにご来場いただき、大盛況の4時間となりました。
※動画(YouTube)はスピーカーにご了解のとれたもののみ今後掲載の予定です。
ガンディーによる英語スピーチを日本語化し、オーディオブックとして完成させるまでの道のりが紹介されました。はじめに、日本子守歌協会に残されていた世界に2つしか現存していないガンディーの英語スピーチ音源を、もし翻訳ができたら世の中に出したい、という思いでこのプロジェクトがスタートした経緯が話されました。翻訳には大阪女学院の先生および学生さんの協力が得られたのですが、スピリチュアルな内容なので、短いスピーチでありながら翻訳作業には長い期間がかかってしまったそうです。また、声優の神谷明さんがこのプロジェクトに賛同し、出演してくださったエピソードなどが実際のオーディオブックの音声とともに披露されました。松木さんは、「今回のように『埋もれていた名作』を多くの人々に届ける方法としてiTunes Storeは、素晴らしいチャンネルなのです。」と述べ、更に「人こそ最高のコンテンツ」という点を強調されていました。
iPhoneなどの携帯端末を利用する新しいプロモーション手法が紹介されました。Audi A4のドライビングチャレンジ、Nike Goalなどや、YouTubeで流されている「秋葉マン」(秋葉原に突然、カラフルな戦隊キャラクターが出現するという動画で実はナイキのCM)のコミカルな映像が事例として披露されました。橋本さんは、携帯端末の普及台数やSNSの登録人数の例を挙げ、「これだけの台数や人数へ、広範囲に安価で簡単なプロモーションをできる方法はほかにはない」と強く強調され、今後の広告ビジネスモデルの新しい展開を示唆されました。
iPhone・iPod touchに保存されている写真を直接プリント注文して、郵送・宅配便で届けてくれるサービス「Kodak Color Print」が紹介されました。プリント市場全体は、一時縮小していたものの、最近、再び回復しているそうで、そんな中で成長の予感を感じて開発したアプリだそうです。「Kodak Color Print」は、Wi-Fiまたは、3G回線で写真をアップロードし、カード決済を行って、プリントされた写真が自宅に届く仕組みで、アプリ内では99枚までライブラリから選択し、届け先や配送方法、カード情報などを入力するだけになっています。現在、ユーザーから寄せられたレビューの声を元に機能アップを図っている最中とのことで、今後ますます利便性の向上が期待されるお話でした。
「ネット連携を世界で一番考え抜いたデジカメを開発中!」と謳うCerevo社のデモが行われました。パーティなどで写真を撮ると、後日送りますといったままになってしまうことが従来型のカメラではよくありますが、Cerevoのカメラは、電源オンもせずにWi-Fi接続ですべての写真のWebへのアップロードが完了する面倒くさがりやには大変便利な機能がついています。写真データは、一度自社のサーバーに蓄えられ、そこから各種SNSなどに転送されます。Web上でモノクロ変換したり、twitterに投稿することが出来たり、iPhoneからも同じサービスが利用できるそうです。この製品は、今年の夏にCerevoから発売予定とのことでした。
佐藤 ねじさんが運営するグッズアイデアのサイト、prototype1000の紹介です。デモでは、箸をおくと木のように見える「はしお木」、茶碗に大仏の顔を描きご飯を盛りつけると大仏様の髪に見える「螺髪(らほつ)」、ティーカップの持ち手にダンスをするカップルをつけて電子レンジに入れると踊っているように見える「舞踏会」など思わずクスっと笑ってしまうようなグッズアイデアが披露されました。他にも、スクラッチマッチ、ヘビストロー、山脈ふせん、魚うちわ、山岳電車(封筒セット)。天狗(ドアプレート)。君にFly(夜光アイドル)。野菜電池。ビギナーズブック(開くと初心者マークに見える)。大仏レジャーシート。筆メタル。壁画靴下。世界地図。髪てぬぐいなど、が次々と紹介されました。「はしお木」は実際に商品化が決定したそうで、他のデザインに関しても商品化していただけるようなメーカーさんを募集とのことでした。
ITmediaアプリのver.2.0が紹介されました。はじめに、新たに付加されるボタンの拡大、URLのメールフォワード、未読の既読化などの機能が紹介されました。新バージョンから「Biz誠」として分離される「ビジネスメディア誠」のアプリは、記者会見やインタビューなど6カテゴリーで、1日あたり十数本の記事を配信するそうです。第3のアプリ、ZOOME AppTownアプリでは、iPhoneアプリの投稿レビュー動画が再生可能で、App Storeへもリンクしていますので、すぐにそのアプリを購入できるようになっています。このアプリは松尾さんご本人が自分で欲しかったということと、会社のトップがiPhone系アプリを作りたいという意向を持ったこともあって、プロジェクトが一気に進んだそうです。
VectorWorksなどの建築系ソフトの発売元として知られるA&A社からの依頼で開発したのが、A&A会計です。今回はA&A会計のiPhone版のデモが披露されました。iPhoneならではの機能として、買ったものの写真や関係者の名刺のイメージ、音声、位置情報まで入力できる点などが紹介されました。そして、Mac上にデータを持っていく方法として、メールとボンジュールを使ってLAN上のA&A会計にデータを転送する方法が紹介されました。このiPhoneアプリは一般向けにもリリースされる予定になっているそうです。
手裏剣を飛ばして敵を倒すゲームiPhoneゲーム・iNinjaのデモが披露されました。iNinjaは物理シミュレーションに基づいており、iPhoneの性能の高さのおかげでなめらかな動きが実現出来たそうです。宮川さんは、iPhoneゲームの要素として起動してすぐ楽しめる即時性や高いクオリティのインタラクティブ性、手軽さなどを強調されていました。後半にはiNinjaの他に今、開発中のサーファークロック(iPhoneを左右に傾けて波を起こし、サーファーを上手に波乗りさせる)、ペンギンクロック(サーファークロックのペンギン版)、コイン&グラス(液体で満たしたグラスの中にコインを落としていって、あふれたら負けというゲーム)なども紹介されました。
漢字仮名交じり文を読み上げるアプリ「DTalker(ドキュメントトーカー)」が紹介されました。
Mac OS X ではSpeech Managerという音声合成エンジンが標準搭載されており、英語の音声なら使うことができますが、DTalkerをインストールすると日本語の声が追加され、日本語で話せるようになります。会場では実際に、ウェブの文章を選択して読み上げるデモが披露されました。また、読み上げながら字幕風に文字表示される様子も紹介され、この読み上げと字幕の速度をシンクロするのに大変苦労されたことが語られました。そして後半は、DTalkerをiPod nanoに導入した例:nanoが日本語をしゃべる様子(メニュー項目を日本語でしゃべったり、曲名やアーティスト名などで英語と日本語が混在していても読み上げる等)やiPhoneへの移植の予定などが語られました。
ケンイチさんご自身が考案された「似顔絵セラピー」が実演とともに紹介されました。ケンイチさんは、これまでに1万5千人を越える似顔絵を描いており、この経験を活かして2006年に「似顔絵セラピー」を考案されたそうです。
現在は、医療施設や介護施設を中心に、似顔絵を通じて笑いと癒しを提供する活動を行ってらっしゃいます。
ケンイチさんは、セラピーの際に対象となる方とまずお話をして趣味などを知り、それを絵の中に盛り込むことで、より生活感や夢のある似顔絵作りを心がけているそうです。今回は、DEMOsa運営委員の大谷さんの似顔絵を10分間で描いていただきました。特徴をとらえた似顔絵がみるみるうちに描き上がって行く様子に会場は和やかな雰囲気に包まれました。(ケンイチさんが当日に描いた大谷さんの似顔絵はこのページの一番最後をご覧下さい!)
苅宿先生が青山学院大学で実施している「ワークショップデザイナー育成プログラム」についての紹介がありました。この講座は、大学生や社会人のキャリアアップとして、大学が正式に履修証明書を発行しているものだそうです。
ワークショップデザイナーは、日本語では「地域教育育成専門員」と訳され、地域教育や学校支援活動、社会教育の場で活躍する人たちです。指導するだけではなく、生徒となる方たちと「共に」活動することを楽しめる資質が求められる、多様な専門家であることを目指しています。「好きな色はなんですか?」という問いに対して、答える側に沢山の回答(赤、黄色、青…)があるように、「ワークショップは常に決まった正解が求められる学校とは違う種類の学びである」という点が強調されていました。今後の構想としては、助成制度や人材ネットワークのコンソーシアムを年内に作る予定だそうで、更にあらたな展開が期待出来そうです。
デジタル名刺「ポーケン」が紹介されました。「ポーケン」は自分のプロフィール情報だけでなく、ブログやホームページのアドレス、SNSでの登録 IDなどを簡単に相手と交換することができる小型のUSBガジェットで、元々はスイスで開発されたそうです。
すでに国外では様々なSNSをサポートしていますが、日本国内ではmixiやamebaなどに5月には対応とのことで、夏にむけて、自分のサイトでもポーケンの情報を利用できるシステムをリリースするそうです。本DEMOsaの時点ではオンライン販売されていますが、もうすぐ量販店などでも購入可能になるそうです。
サン電子の電子書籍「SUNSOFT BOOKS」とオリジナルのビューアーアプリ「SUNSOFT BOOKSビューアー」が紹介されました。本デモで紹介された「銀のコーシカ」は配信型コンテンツで、全編オールカラー、なんと松本零士先生の描きおろしだそうです。まず、Wiiウェアとして4月14日に開始された最初の配信は、500Wiiポイントで3話ですが、続きのストーリーは今後追加配信を行う予定だそうです。(壮大な話なので、何話まで続くのは現時点はわからないそうです!)
後半は開発中のiPhoneアプリ版が紹介されました。iPhone版は基本的にはコミックビューワで、フリックもしくはスクロールバーで目的のページに移動し、コマ表示モードとページ表示モードが選べます。また、ダブルタップでのアプリ内から、App Storeなどへの外部リンクも可能となっている点などが特徴として披露されました。
ポーケンを使ったフィード購読キオスク「Twitter News Stand」が紹介されました。川井さんが「Twitter News Stand」を作ったのは、最近、Twitterでのセレブリティのつぶやきに面白いものがいくつもあることに注目し、そういうTwitterのつぶやきを店頭で見て選べないだろうか?と思ったのが、きっかけだったそうです。
デモでは、アタッシュケースに綺麗に並べられたポーケンが披露されました。この小さなアタッシュケースの中を「キオスク」に見立てているという訳で、ひとつひとつのポーケンにはTwitter上に存在するセレブリティ(オバマ大統領やブリトニースピアーズ、坂本龍一等)やメディア(asahi.com、CNET、BBC、CNNほか)などのフィード情報を1対1で登録してありました。川井さんはポーケンを名刺交換のツールのみとして使用するのではなく、Twitterのように個人が持っているメディアを購読するためのメディアとして使ってみるという「組み合わせの妙」を活かしたサービスを提案されました。
今回も沢山の方が終了後の懇親会に参加してくださいました。
出演者同士の交流も行われていました。
村岡ケンイチさんに描いてもらった大谷さんの似顔絵。
さすがプロ!10分間で描いたとは思えないです。お見事!
皆さまよりお寄せいただきました1コインカンパ(運営支援金)は、35,000円になりました。
皆さんの暖かいお気持に心より御礼申し上げます。
お忙しい中、お集まり頂きました皆さま、ご参加ありがとうございました。
次回の「DEMOsa」にもどうぞご期待ください!