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第22回 MOSA Tech Meeting レポート (8/3)

2017年8月3日(木)の夜間、東京都千代田区のちよだプラットフォームスクウェアにおきまして、「第22回 MOSA Tech Meeting」を開催致しました。

ミーティングの様子

第22回のMOSA Tech Meetingです。
今回は昼の時間にハンズオンセミナーを開催しましたので、同じ部屋での開催となりました。会場はちよだプラットフォームスクウェアです。

「UD手書きPro(手書き筆談アプリ)の紹介」 Shamrock Records(株) 青木秀仁さん

会員の青木さんからは「UDトーク」の最新情報と新アプリ「UD手書きPro」をご紹介頂きました。「筆談アプリに必要なことは何だろうか?」を現場で知り尽くした青木さんだから作れた手書き筆談アプリです。現場で必要な機能が充実したアプリで、単なる筆談だけではなく、テキストや手書き、近接通信によるデバイス間での筆談のやり取り、音声認識などをデモして頂きました。また、テキストだけを翻訳して、手書き部分はそのまま相手側に表示する機能もあり、言語を超えたコミュニケーションを可能にしています。

筆談の現場では、ロール紙を使って、どんどん書きながら送っていくということが行われているそうです。そこで、アプリにもスクロールして、ロール紙と同じようにどんどん送りながら手書きが出来る機能を実装されたそうです。書いている内容は履歴が残るようになっており、クリアしたタイミングで履歴を更新して記録していくそうです。

また、会場に来ている開発者に向けて、開発での苦労や、実装上の工夫など、開発者という立場でのノウハウも共有して頂きました。

UD手書きProについての詳細を知りたい方は以下のページをご覧ください。

「UD手書きPro」をリリースしました (UDトーク)

 

「のせラジの紹介」 合同会社イーヴァ 石橋さん

会員の石橋さんからは「のせラジ」の紹介と最近のニュースをご紹介頂きました。「のせラジ」は、子供が作るようなモーターを使った工作を、iOSで操作できるラジコンにしてしまうというものです。「のせラジ」がモーターを制御し、「のせラジ」はiOSからアプリで操作ができます。

「のせラジ」から発展して「embot」の紹介がありました。「embot」のビデオの上映や、撮影時の舞台裏などの話題もありました。「embot」はプログラミング教育ロボットということもあり、今後の発展が楽しみです。

既に個数限定で販売開始されたそうです。また、価格についての話題や、開発者ならではの技術的な話題、サーボのチャンネル数や組み合わせる話、今後の展望などもお話し頂きました。

会場で見せて頂いたビデオはYouTubeで公開されています。

embot d1 (YouTube)

また、embotの詳細についての詳細を知りたい方は以下のページのご覧ください。

embot

 

「機械学習、深層学習の現状 シンギュラリティは起こるか?」 LB58.net 辨崎さん

会員の辨崎さんからは機械学習、深層学習の現状などについて、多岐にわたる解説をして頂きました。まず、現在が人工知能に関しての第三次ブームで有り、人工機能の分野は昔から長い時間をかけて研究が続いているということを、歴史上のマイルストーンも踏まえて解説頂きました。また、最近の話題として、「東ロボくん」や「アルファ碁」の話、そして、それらのプロジェクトが既に凍結されてしまったことなど、大きな話題になった後に起きたことをご紹介頂き、なぜなのかという考察も解説頂きました。

次に、機械学習の概要を解説して頂きました。機械学習の分類、モデルの方法、予測の方法、修正の方法をご紹介頂きました。少し前にニュースを賑わせた「畳み込みニューラルネットワーク」についてもお話しがありました。次に、機械学習を学ぶときに知っていた方が良い知識にどんなものがあるのかを解説していただき、開発に使う言語は何が良いかということもお話し頂きました。現状では、ライブラリが豊富なPythonが良いそうです。なお、残念ながらMacは現時点(2017年8月時点)ではほとんど使い物にならないそうで、理由は機械学習に使うにはGPUが非力過ぎるそうです。それ故に、これから発売予定の新モデルには期待されているそうです。

次に、機械学習の実例をデモして頂きました。デモして頂いた内容はマンション販売価格の予測です。今回は広さのみを特徴としたモデルでデモをして頂きました。教師データ(お手本となるデータ。あらかじめ与える正解データや実際のデータ)有りで、線形勾配降下法を用いたそうです。数式やどのように作ったかなどをお話し頂き、実際に動かして頂きました。

次に、MNISTを使った手書き文字認識の解説と、CPUとGPUでは計算時間に非常に大きな差が生まれてしまうことをお話し頂き、最後に、シンギュラリティは起きるかということについての考察結果を解説して頂きました。人工知能を研究している専門家たちの共通した認識は、現時点においては、現在の技術の延長では無理で、1回か2回、エポックメイキング起きないと難しいそうです。

1時間では足りず、急ぎ足にはなりましたが、非常に多くの解説をして頂きました。

 

「きもちメガネ開発秘話 Funiki SDKとBLEのバックグラウンド処理」 ドリームガーデンソフトウェア 中野さん

会員の中野さんからは新アプリ「きもちメガネ」の開発に関するお話しを頂きました。「きもちメガネ」は雰囲気メガネの色を簡単に変更できるアプリです。今回のMTMでは、「きもちメガネ」を開発する中で遭遇した、バックグラウンド処理をiOSアプリで行うにはどうしたら良いのかということについて、実装上のノウハウを共有して頂きました。鍵はBLE(Bluetooth LE)にあります。BLEでの通信を受信するとバックグラウンドでも、アプリ独自の処理を数秒間行うことが出来るそうです。しかし、そこにはいくつかの制限があることなどを解説して頂きました。

また、このようなハードを使ったアプリをApp Storeに申請するときに、審査はどのようにすれば良いのかというノウハウを共有して頂きました。これについては、会場にいた他の方たちも色々な経験をされており、自分たちの場合はどうだったかなどの、事例紹介がいくつも飛び出しました。

「きもちメガネ」について詳細を知りたい方は、App Storeをご覧ください。

 

プレゼンテーションを行ってくださった皆さん、貴重なお話をありがとうございました! 次回は10月です。皆様のご参加をお待ちしております。