2009年1月24日(土)、札幌「かでる2・7」におきまして、「DEMOsa KITA」を開催しました。当日は90名を越す多くの方にご来場いただき、大盛況の3時間となりました!
「DEMOsa KITA」参加者による当日のレポートはこちら!
※写真撮影協力:佐藤祈、高橋政明
※レポート作成協力:鷲見正人、いけだじゅんじ
※ビデオ撮影協力:水谷靖 (敬称略)
※動画(YouTube)はスピーカーにご了解のとれたもののみ後日掲載の予定です。
北海道のコミュニティFMの失敗例と成功事例が紹介されました。まず、新聞でも話題になったFMニセコの開局から経営破綻、免許停止までの流れを追いつつ、身の丈にそぐわない活動形態など失敗の要因について言及。成功例としては、函館のFMいるかや留萌のFMもえるの事例を紹介。成功の裏には、経営難からの脱出や、ボランティア中心の運営など地道な努力があったことがポイントのようです。また、プレゼンターが関わった複数のFM局でのMacの積極的な活用例が紹介され身近に感じるプレゼンとなりました。
iPhone/iPod touch向けに作られた青空文庫リーダーの紹介です。以前作ったアプリの縦書き表示を活用したアプリを考えたのが開発の契機。iPhoneは画面表示がきれいなので、それを活かして文庫を持ち歩く感覚に作ったとの事です。青空文庫を図書館に見立て、読みたい本をその都度入手するスタイルを想定したのですが、iPod touchユーザを中心に多くの本を保存したいニーズもあるようで対応を検討中。また名前を付けるにあたって悩みましたが、地元に根ざしたものにすれば差別化可能であろうとこの名にしたとのエピソードも紹介されました。
MacのGUIのルーツはALTOからとされていますが、正確にはSmalltalkから来ている紹介です。ALTOは1973年、まだApple社も設立されていなかった時代にXEROXのパロアルト研究所でアラン・ケイたちの要請により作られた試作機です。「ワークステーション」の原型と言われますが、それはStarのハードウエアとして使われていたからで、アラン・ケイたちは同じALTO上でSmalltalkをOSとして動かすことで「パソコン」を作ろうとしていたのです。GUIはそこで生まれたアイデアでした。最後に、MacとWinとSmalltalkのGUIのデモを通じて、三者が互いによく似ていることが示されました。そして、このDEMO自体が…。
Webページの中で3D空間を表現できるフレームワークの紹介です。OpenGL APIに手を加え、陰影などの表現に工夫しています。Web経由であることで、プラットフォーム間の差異を意識せずに利用できるよう目指しています。その結果、Mac以外のプラットフォーム、特に、iPhoneや携帯電話でも利用可能となりました。また、3D-CG研究者の視点から3D-CGに対するMacの優位性が説明され、GPUに対してプログラミングするシェーダー言語やそれをサポートする並列処理のための標準化API、OpenCLなどのトレンドや、Appleの取り組みが解説されました。
「ビックイシュー」は、ホームレスの人のみが販売員となり、路上で販売される雑誌であることが紹介されました。書店での販売はせず、ホームレスの自立を金銭面のみならず、他人との関わりや誇りの回復を通じた精神面での改善を通じて支援し、また、ホームレス問題の視覚化を目的としています。最初の10冊は無償提供され、その販売によって得られた利益で追加分を仕入れてもらう。1冊当たりの利益は160円で、これを蓄えることでホームレス脱出に役立ててもらっています。内容は環境問題や音楽、映画の話題など多岐にわたり札幌では現在4名が登録、2名がすでに住居確保などの実績を持つことが説明されました。
新設計に手間取り、難産となった同製品について、開発に関わった立場から苦労した話が紹介されました。Windowsに比べてマイナーアップデートの多いMac OS Xではきめ細かいテストを行なわなければならないこと、製品の性質上、マニュアルに手間をかけなければならないこと、それらを通常では考えられない期間内でしあげなければならなかったこと、など。さまざまな苦労話が赤裸々に語られ、次のバージョンではMacの良さを活かした製品作りにチャレンジする旨の抱負で締めくくられました。
子育て支援の一環として年長児と絵本を作る企画にiPhotoの機能や製本サービスを利用した事例の紹介です。子供たちに自由に絵を描いてもらい、スキャナで電子化した画像ファイルをiPhotoに取り込み、コメント欄にストーリーを記入、製本を行ないました。ストーリーは描いた子供たちに学生アルバイトがインタビュー、描いた児童が主人公になるように組み立てられています。困ったことに子供たちは皆、同じ題材を描く傾向にあるそうです。また欠席した児童が描いた追加の絵が、やっとできあがった話と無関係だったなどエピソードや工夫も紹介されました。今後、ストーリー創作に子供を関与させるなどの可能性も示されました。
ハドソンが取り組むiPhone向けソフトの現状や本邦初公開のソフトが紹介されました。クレヨン画風に描いた物体に動きをあたえてパズルを解いてゆく「クレヨンフィジックスデラックス」。客の要求を満たしながらオリジナルケーキを作る「ケーキマニア2」、カードゲームをiPhoneに特化させるかたちでゲーム化したオリジナルタイトル「エレメンタルモンスター3D」。チェーンアクションをiPhoneの加速度センサーを用いた独自の操作方法で実現した「ムーンサンダー」。4人の登場人物を同時に操作し敵を倒すリアルタイムストラテジーゲームの「とある騎士団と幻のお城」の5本。北米で1位を狙いたいとの抱負、意気込みも示されました。
教育機関などでの講義内容をPodcastとして公開したい場合に役立つTIPSが紹介されました。やむを得ない事情により授業に参加できない学生に対する支援として、Podcastの活用が効果的であり、教員も講義映像などの公開には積極的である反面、公開までにかかる手間や時間が問題視されている現状が説明されました。講義終了後、他人の手を借りずとも30分ほどで公開まで終えるポイント(マイクの設置場所)、必要な機材(マイク入力端子付きのH.264カメラや比較的安価な自動追尾回転台、ワイヤレスマイク、スキャンコンバータ)やソフト(ポッドキャストメーカー)など貴重なノウハウが紹介されました。
曽我さんによる「DEMOsa KITA」参加者レポートはこちら!
撮影者の主観で空間が切り取られてしまう動画や写真と違い、空間まるごとアーカイブ可能なサウンドやパノラマの特性が紹介されました。サウンドの特性として、聴く人の想像が活かされる点、興味ある音だけを選択して聴く人間の能力、ステレオに指向性を保持できることが解説されました。20年前に録られた青函連絡船やプレゼンターが合成したロボットアニメの効果音を例に、音が記憶を蘇らせる効果などをデモしました。またパノラマには臨場感や撮影時には気づかない状況の発見もあり、組み合わせにより違った楽しみが生じることも紹介。音とパノラマを組み合わせた新たな取り組みへの技術面での協力者も募集しています。
書体を開発する会社のUDへの取り組みについての紹介です。イワタは、書籍や新聞の紙面、大手メーカーの携帯電話などのボタン表記、教科書などに文字を提供しています。2006年12月に新しくUDフォントを開発。ユニバーサルデザイン(UD)とは、弱者を含むできるだけ多くの人の使いやすさを考えたデザインのこと。焦点がずれたり、光の量が十分でないときに、文字がかすれたり読みにくい、間違いやすいといった不満があったので、これらを問題を回避するためのデザイン上の工夫が具体例を示しながら紹介されました。今後は、「エコ」と同様に「UD」も重要なキーワードになるはずで、同社ではこれをチャンスととらえている旨が語られました。
札幌芸術の森美術館の学芸員が、客足の減る春先の集客に自費で学んだポッドキャスティングの取り組みが紹介されました。映像付きの拡張フォーマットの利用が有効であるとの分析です。平岸高校デザイナーズコースで試みられた野外彫刻を解説するPodcast作品が紹介され、同様の授業がより多く実施されるべきと問いかけました。ただ近頃は図工美術の時間は削られる傾向にあり困難が伴うため、総合的な学習の時間や国語の時間などを利用してはどうかとの提案もなされました。2011年に札幌での開催が予定されている全国造形教育研究大会に向けて、具体的な取り組みを示せればとの希望もありました。
最初にレンズと写真の関係についての簡単な紹介がありました。特に超広角の撮影が可能な魚眼レンズで画像がゆがむ理由について、続いて魚眼レンズは独特のゆがみによるネガティブな面が強調されがちだが、超広角であることのメリット、その場に居る全員を無理なく撮影したり、上下・左右への広がりを記録するのに向いていることなどが説明されました。身近な例として、iPhoneのカメラでもドアスコープを使って撮影可能範囲を広げることで自分撮りも可能になる様子が紹介されました。また、ゆがんだ画像もOpenGLにより提供される画像処理機能を使って展開することによってゆがみの少ない画像に変換可能であることが解説されました。
プレゼンターが普段から活用している仕事の七つ道具の紹介です。ほんとうはもっとあるのですが、とりあえず七つだけとのこと。デジタルメモデバイス「ポメラ」(白いカバーをホワイトボード代わりにするTIPSも)。プリンタ一体型デジカメ「シャオ」(タンザニアのマサイ族が気に入り、譲ってくれれば牛一頭と交換してもよいと言われたエピソードも)。デジカメから直接画像共有サイトなどへの投稿が可能な無線LAN機能内蔵SDカード「Eye-Fi」。書いた字や絵をそのままデジタル化してMacに取り込める「Mv Pen」。iPhoneをつないでプレゼンも可能な超小型プロジェクタ「オプトマ ポケットプロジェクター」などなど。あっという間の10分でした。
沢山の方が終了後の懇親会に参加してくださいました。
プレゼンターや参加者同士の交流も盛んに行われました。
地方開催のため現地でお手伝いさせていただきました、いけだじゅんじです。
東京に比べ開発者の少ない札幌でDEMOsaが成り立つのか。
札幌ではT2(テクニックとテクノロジー)でなくE2(エンタテインメントとエデュケーション)をテーマに心がけました。
プロの開発者には物足りない部分もあったと思いますが、多くの方に交流会まで参加いただけたことから満足いただいたのではと感謝しています。
最後に、ご自身がプレゼンターで司会と総合進行まですべて一人でこなし、裏方としてもお手伝いいただいた大谷さん。また、遠隔地開催のため、事務局の戸上さんにはいろいろとサポートいただきました。
また、当日は多くの参加者の方々にもお手伝いいただきました。この場を借りてお礼申し上げます。
どうもありがとうございました。 これに懲りずによろしくお願いします。(^^;)
お忙しい中、お集まり頂きました皆さま、ご参加ありがとうございました。
次回の「DEMOsa」にもどうぞご期待ください!