MOSA Multi-OS Software Artists

MOSAはソフトウェア開発者を支援します

  • iPhone/iPod touch アプリ紹介
  • MOSA掲示板
  • 活動履歴
  • About MOSA(English)

【終了レポート】湘南.swift(MOSA Software Meeting 2017) レポート(10/14-15)

10月15日(日)

10月14日(1日目)のレポートはこちら
インターミッションのレポートはこちら

2日目は、3つのセッションルームでセッション同時開催。辨崎講師と村上講師とで、それぞれ午前午後の2回セッションを開催。林講師と中野講師とで、それぞれ午前午後の2回セッションを開催。のせラジワークショップは増田講師、石橋講師、落合講師で午前と午後の2回開催しました。
午前 — 9 : 30 〜 12 : 30
午後 — 13 : 30 〜 16 : 30

セッション

「機械学習、深層学習の現状 シンギュラリティは起こるか? 機械学習エンジニアからみた、Introducing Core ML」
LB58.net 辨崎宗義氏

講師の辨崎宗義氏

【レポート】

本セッションでは、機械学習とは何かを説明するとともに、WWDC 2017のセッション “Introduction Introducing Core ML”の解説と、Core MLをアプリケーションで利用する際に必要なことについて説明されました。

まず、人工知能のニューラルネットワーク分野の歴史を初期のパーセプトロンから最新の深層学習まで、数式や図を交えて説明されました。その後、機械学習の構成を説明し、Core MLが扱う部分を明確にし、Core MLで出来ること出来ないこと、Core MLと他の機械学習フレームワークとの連携について説明されました。
Core MLをアプリケーションに組み込む際には、機械学習の結果となりますモデルが必要となるのですが、ここで他フレームワークとの連携が必要となります。こちらについての情報は少ないため、本セッションは貴重だと思います。

セッションの最後には、機械学習を理解するために必要となる基礎的なスキルについて詳細な解説が行われましたので、より深く理解したい方にとって、有意義なものとなりました。

実は、私はコンピュータの世界に興味を持ったキッカケがニューラルネットワークでして、Macintosh ClassicとThink Cを購入し、甘利俊一先生の『神経回路網の数理』を片手にパーセプトロンの実装をしていました。そんな自分にとって本セッションは、この分野に挑戦したくなる良い刺激となりました。

(村上幸雄)

【アンケートより】

  • CoreMLはモデルが無いと使えない。印象に残っています。Appleは開発者にUXに専念できるようにさせたっていうことも。
  • すごい何を勉強するべきかものすごい量でした。がんばろうと思います。
  • AIのツールについてもっとも知りたい情報を短い期間で学べました。今後の指針と準備になりました。ありがとうございます。
  • 難しい話もたくさんありましたが長年のご経験からのお話が聞けて面白かったです。

セッション

「keep a diary(雲をつかむ話)」
ビッツ有限会社 村上幸雄氏

講師の村上幸雄氏

【レポート】

「keep a diary (雲をつかむ話)」は、MacとiPhoneで日記データを共有するアプリの設計・開発過程を解説しながら、Appleのクラウドサービス「CloudKit」の使い方を紹介するという内容です。
まず冒頭に、村上理事が主催する現BUKURO.swift、Cocoa勉強会の紹介がありました。今回のネタはそこで育まれたものだそうです。macOSとiOSで日記データを共有するために必要なデータベース的な設計情報やクラウドの設定項目について、そこに至った背景も含めて解説されていました。
XcodeでCross-platformプロジェクトを作るときの注意点や設定方法、データベースを公開するかなどのコンテナやアカウント情報をCloudKit Dashboardで設定する方法を紹介しながら解説され、最終的にCloudKitを使ったアプリ開発で知っておかなければならないことの全容を知ることができる内容でした。このプロジェクトはこのあとも続けいていくとのことでした。その成果は毎月開催されている勉強会「BUKURO.swift」(池袋)に行けば聞けると思います。乞うご期待。

(白石亘)

【アンケートより】

  • 「iCloud」はまだてをつけていないですが、きをつけないといけないことがあり参加できてよかったです。「cross Plat form」も知れてよかったです。
  • CloudKitの簡単なようで難しい部分があるのが知れた。
  • BUKURO.Swiftの様子が聞けて面白かったです。
  • CKKitの概要と経験知が学べてよかったです。

セッション

「iOS11の新機能、Drag & Dropへの対応方法」
アールケー開発 林晃氏

講師の林晃氏

【レポート】

macOSではおなじみのドラッグ&ドロップ(以下D&D)がiOSにもやってきました。
セッション冒頭に「macOSでD&Dの実装経験のある人は?」と尋ねたところ、参加者のおよそ半数ほどが手を挙げていました。
macOSでのD&Dの実装経験があると理解しやすいようです。そうでない人でも「さほど難しくはない」(講師談)とのことですが、さてどうでしょうか。
セッションでは、まずiOSでのD&Dを実際の動きを見ながらどのようなものなのか把握し、その後これを自分のアプリに組み込むためにはどのようなことをしなければならないのかを学びました。
例によって、簡単な動作(単にD&Dによりデータの操作をする)だけならD&Dのためのプロトコルを実装したクラスを作り、デリゲートメソッドを1つ書くだけでOKなようですが、ドラッグ時の挙動や見た目をそれなりのものにするためには、さらにいくつかのメソッドを追加する必要があるようです。
今までにも独自にD&Dを実現していたアプリはあったと思いますが、iOS自体がこれをサポートすることでアプリ間でD&Dによるデータのやり取りができるようになったのはメリットでしょうか。
あ、1つ言い忘れました。現在D&Dが可能なのはiPadだけとなっています。

(高橋真人)

【アンケートより】

  • 「Drag&Drop」をやってみたくなりました。比較的やりやすそうだったので、何か実装してみたいです。
  • サンプルアプリを手元でも試したいと思います。
  • 段階的に処理を解説していただけたので、大変わかりやすく参考になりました。
  • D&Dを簡単に作れる一方、実装の必要がある場所ではまりそうなところが分かった。

セッション

「はじめてのアプリ内課金〜消耗型から自動更新型までの実装手法〜」
Dream Garden Software 中野洋一氏

講師の中野洋一氏

【レポート】

本セッションでは、アプリ内課金についての基本的な知識だけではなく、実装方法までを具体的なコードを交えて解説されました。近年、従来は売り切りだったものが、サブスクリプション型に変わるなど、フリーミアムモデルだけではなく、サブスクリプションモデルのみで提供されるサービスや製品が増えてきており、注目のセッションです。まず、アプリ内課金とは何なのかや、どのようなものをアプリ内課金にすることが出来るのかという解説から始まり、アプリ内課金の種類や開発の全体的なフロー、デバッグ方法などの解説が行われました。開発方法では、iTunes Connectで、どのような設定が必要のかや、Sandbox Userなどを使ったテスト方法、使用するフレームワークや、消耗型、自動更新型のそれぞれについてのコード例など、実践的な解説が続きました。他にも、Store Kitなどのフレームワークや、iTSサーバは何をどこまで担当するのかなどについて、質疑を交えながら解説がありました。

アプリ内課金、特に自動更新型については情報が少なく、貴重なセッションになったと思います。

(林)

【アンケートより】

  • 課金アプリを検討していたので、役に立つ内容でした。ありがとうございます。
  • いつも実践で役立ちそうな内容だと思いました。ありがとうございます。
  • とてもよくわかりました。雑誌のアプリが良くトダブル原因も分かった気がします。(笑)
  • 課金の処理の要点とノウハウがコンパクトに学べました。分かりやすいプレゼン資料とコードでした。ありがとうございます。

ワークショップ

「のせラジを使った3軸アームロボットの制御」
株式会社タスタス 増田崇氏、合同会社イーヴァ 石橋利也氏、フリーランスプログラマー 落合徹氏

講師の増田崇氏

講師の石橋利也氏

講師の落合徹氏

【レポート】

本セッションでは、のせラジの企画・開発元のイーヴァ石橋氏より、のせラジのコンセプトといままでの歩み、そして新しくなったのせラジの紹介がありました。
新しいのせラジは、標準でサーボ2個/LED2個/入力ポートが2個搭載され、文字通り拡張ボードにのせラジを載せる事で、最大18個のサーボを同時に動かす事ができる事が紹介されました。8個のバグパイプ私も作ってみたくなりました。また、試作は白、量産型は緑、特別なモデルは赤と、某アニメになぞらえた色へのこだわりなども紹介されました。
のせラジ本体の解説が終わった後は、のせラジで動かす、4軸アームロボットの解説が増田氏より、始まりました。
今回の4軸アームロボット制作で”きも”となるのは、各パーツのモデリング。その解説が行われました。
のせラジを開発製品のモックアップとして利用する時、次にどうしようか悩むのが製品の筐体や、動かすパーツを独自のデザインで作成する事です。今回は、4軸アームロボットを使うという事で、実際に3Dプリンターで独自のパーツを作成する所までの解説されました。 増田氏が設定を行う様子を見ていると自分でも作成できそうな気がしてきます。先ずは、3Dプリンターをどうするかから考えなくてはいけないですが。。。
3Dプリンターでの出力は、ちょっとずつ支持したパーツが積みあがっていきます。とても時間がかかりますが、自分が作ったものならずっと見ていたくなりそうです。
最後に、実際に組み立て済みの4軸アームロボットを参加者一人一人に配布され、iPadのSwift Playgroundsにて4軸アームロボットの制御を楽しみました。
Swift Playgroundsのアプリケーションは、フリープログラマーの落合氏が制作を担当し、Swift Playgournds上でのコーディング方法などの解説が行われました。今回のアプリケーションでは、純粋に各軸の角度をプログラムやコントローラから指示する必要があり、ロボット制御の難しさも感じられたセッションとなりました。

(根岸恭子)

【アンケートより】

  • 手軽に手に入るパーツでここまでできることがわかりとても参考になりました。
  • 3DプリンターとCADとロボットの話をまとめて学べて自分でも作れそうになりました。ありがとうございました。
  • 予想通り遊んでしまいました。今日はほかのセッションでがっつり勉強するはずだったのに!でも、面白かったです。
  • 大変興味深かったです。

閉会

今年もたくさんの方にご参加いただき、好評のうちに無事イベントを終了する事ができました。
参加者の皆様、全国からお集まりいただき、誠にありがとうございました。