WWDC2023の熱気冷めやらぬ雰囲気の中、情報交換会をライブとオンラインで開催しました。
今回は、新しい取り組みとして、蒲田のシェアスペース「おおたfab」から二部構成です。
メインのWWDC23フォロー・セッション(午後)の前に、コネクト・セッション(午前)で行いました。
メインのWWDC23フォロー・セッション、恒例のキーノートは「Vision Proの「空間コンピューティング」はAppleの「コンテキスト+ML」によるAI戦略の序章」と題し、テクノロジーライターの大谷 和利さんに熱く語っていただきました。
続けてWWDCフィードバックとして、発表された技術を参加者全員で意見交換、質疑応答、技術紹介など、有益な情報を共有を行いました。
ここで改めて二部構成とした理由をご案内させてください。
それはChatGPTをはじめとする生成系A.I.の利用が進むとの予想からです。メリット・デメリットがありながらも劇的な速さで進むでしょう。Microsoft、Google、Metaの積極的な攻勢をみると、Appleも今回のWWDC23で何らかの動きがあると予想しています。
しかし、A.I.による劇的な革新が進んでも、すべてがオンライン、デジタルで完結することはなく、かならずリアルが必要です。そこで、おおたfab FabLabで開催し、リアルのものづくりの革新に関わっている各種機材を、実際に見て・体験してもらい、デジタル × リアルで、みなさんと発想を拡張したいと考えました。
参加者のみなさまと運営スタッフの協力で、無事、開催することができました。
たくさんのご参加を心よりお礼申し上げます。
今回参加されなかった皆様も、どうぞレポートでお楽しみください。
今後もイベントの開催を計画しています。次の機会には、ぜひご参加ください。
開催会場の「おおたfab」の紹介から始まりました。
3Dプリンタやレーザーカッター等の機材のご紹介や製作物の販売コーナーなど、fabカフェ内をくまなく丁寧にご説明いただきました。工作にとどまらずさまざまなイベントを企画されていて、多くの方々に愛されている印象を受けました。
蒲田においでの際はぜひお立ち寄りください!
3DプリンタとTinker CAD(簡易3D CAD)を使ったネームプレートの制作をワークショップ形式で開催しました。
あらかじめテンプレートのモデルをご用意いただいたので、スムーズに制作が進みました。
Tinker CADの簡単な使い方から始まり、テキストを貼り付け厚みを調整し好みのネームプレートが完成しました。
データはそのままWi-Fiで3Dプリンタに転送され、40分ほどの時間をかけて出力されました。
スライスデータを作らずに直接Wi-Fiで3Dプリンタに転送できるのは便利だと思いました。
また、出力の様子や途中経過もリモートで確認できるので、失敗することなく最後まで出力できる工夫に感心しました。
お昼休憩の後、ご参加いただきました初代MOSA事務局長の菅野 弘達様にご挨拶いただきました。
MOSA誕生のお話や当時のプログラミング環境など熱く語っていただきました。
WWDC23でもっともインパクトのある発表となったApple Vision Proを中心に、AppleのAI戦略までとても興味深い内容のお話でした。
はじめに生成系AIを使った広告の動画がどのようなプロンプトで作られているのかを、実演を交えて解説いただきました。
Apple Vision Proについては、なぜグラス型ではなくゴーグル型で登場したのか、VRではなく空間コンピュータというワードを使うのか、など多くの疑問に対する合理的な回答に参加者の多くが頷いていました。
Apple Vision Proの前面に表示されたビデオシースルー映像を、グラス型の平面に表示したらとても不自然なことを、実際におもちゃのメガネで再現して会場は笑いに包まれました。
また、AppleはAIではなくML(Machine Learning)というワードをあえて使って、Appleが今後LLMのAIエンジンに対抗する戦略が垣間見えました。
懐かしいKnowledge Navigatorのビデオを交えて、今後Apple Vision Proが目指す製品の理想像を参加者みんなで共有できました。
WWDC23で発表された興味深い技術をフォーカスしました。
中野氏からはSwift Macros、SwiftUI、SwiftData、StoreKitを中心に、Platforms State of the Unionsのビデオから抜粋して内容を紹介しました。
いけだ氏からはDockKitとReality Composer Proのビデオの内容をご紹介いただきました。
普段あまりお話しできる機会のないAppleの開発者支援について、森川様よりご紹介いただきました。
質疑応答では多くのご質問をいただき、森川様の丁寧な回答によって有意義な情報を参加者全員で共有できました。
救命救急士向けアプリというかなりニッチな市場を狙ったアプリを紹介しました。
人体のバイタルデータ(心拍・体温・心電図など)をリアルタイムでiPadにBluetooth経由でデータ送信し、その内容を救命救急士に役立つよう表示するアプリです。
実際に心電を計測するセンサーを体に貼り付け、指もセンサーに乗せてバイタルデータをiPadに送信し、画面上に表示するデモを行いました。
また、測定したバイタルや救急患者の様子をChatGPTに送信し、適切な処置のサジェストを受ける実験的なデモも披露されました。
iPad版Swift PlaygroundsでApp Storeで公開できるアプリを開発するまでの苦労話を中心に、Swift Playgroundsの可能性を感じるデモを披露いただきました。
プログラムを自分では一切書かず、ChatGPTで生成したコードだけで実装するとてもユニークな試みに参加者は興味津々でした。
実際は存在しないAPIを提示したり、うまく動くけどUIがおかしかったりして、ChatGPTの未熟さを感じることが多かったようです。
それでもChatGPT力だけでプログラムを実装できることはとても驚きです。
楽しく有意義な時間を過ごせました。
参加された方はもちろん、今回、残念ながら参加されなかった皆様も、次の機会をどうぞお楽しみに。
MOSA会員
暫定代表
いけだじゅんじ